おせち作りを同時進行する段取りは?

おせち作りを同時進行する段取りは?

おせち作りを同時進行するなら、時間がかかる料理や、置いておく時間が必要な料理から始め、煮ている・冷ましている間に別の料理を進めるのが基本です。黒豆や数の子のように前日から準備するものを先に始め、煮物、焼き物、酢の物の順に組み合わせると、作業が重なっても慌てにくくなります。

ただし、料理の種類や量、コンロと鍋の数によって最適な順番は変わります。以下は、家庭で作りやすいおせちを想定した基本の段取りです。

おせちを同時進行する基本の順番

同時進行では、料理を「時間がかかるもの」「火を使うもの」「冷ますもの」「切るだけのもの」に分けると、作業の重なりを考えやすくなります。

優先する料理 理由 作業中に進めること
黒豆 戻す時間と煮る時間が長い 煮ている間に酢の物や栗きんとんを作る
数の子 塩抜きに時間がかかる 塩抜き中に調味液や他の料理を準備する
煮しめ・筑前煮 具材の下処理と煮込みが必要 煮ている間に焼き物を作る
栗きんとん・伊達巻 加熱後に冷ます必要がある 冷ましている間に次の料理を進める
なます 作ってから味がなじむ 漬けている間に煮物や焼き物を作る
かまぼこ 切り分けるだけで盛り付けられる 最後に切って盛り付ける

前日から始めるおせちの段取り

前日は、戻す・漬ける・煮る時間が必要な料理を先に進めます。すべてを前日に完成させる必要はありませんが、下ごしらえを済ませておくと当日の作業が大きく減ります。

1. 最初に黒豆と数の子を準備する

黒豆は洗って調味液に浸し、レシピに沿って戻します。黒豆は煮る時間が長いため、最初に火にかけられる状態にしておくと、その後の作業と重ねやすくなります。

数の子は塩抜きを始めます。塩抜きに使う水の量や交換回数は、商品の表示やレシピを確認してください。塩抜きが終わったら薄皮を取り、調味液に漬けます。

2. 黒豆を煮ながら、酢の物を作る

黒豆を弱火で煮ている間に、大根とにんじんのなますを作ります。なますは作った直後よりも、冷蔵庫で置いて味をなじませたほうが食べやすくなります。

作業が終わったら、なますは清潔な保存容器に入れて冷蔵します。黒豆は吹きこぼれや煮汁の減りを確認しながら、鍋を長時間その場から離れないようにします。

3. 根菜の下処理をまとめて行う

煮しめや筑前煮を作る場合は、れんこん、ごぼう、にんじん、里芋、こんにゃくなどをまとめて切ります。飾り切りをする料理は、この段階で形をそろえておくと、後の作業が楽になります。

ごぼうやれんこんは、切ったあと変色しやすいものがあるため、レシピに従って水にさらすなどの下処理をします。鶏肉を使う場合は、野菜やそのまま食べる食材とまな板・包丁を分けるか、使用後に十分洗浄してください。

4. 煮しめを煮ている間に、栗きんとんを作る

煮しめを鍋で煮始めたら、その間に栗きんとんを作ります。さつまいもをゆでてつぶし、調味して栗を加えたら、粗熱を取って保存します。

煮しめは具材によって火の通り方が違うため、すべてを一度に入れるか、火の通りにくい具材から入れるかはレシピに合わせます。煮崩れを防ぐため、煮ている途中で必要以上に混ぜないことも大切です。

当日に進めるおせちの同時進行

当日は、加熱した料理を冷ます時間と、焼き物や盛り付けの時間を重ねます。火を使う料理を続けて作るときは、鍋やフライパンを洗う順番も考えておくと、作業台が散らかりにくくなります。

1. 煮物を温め直しながら焼き物を作る

前日に作った煮しめや黒豆を確認し、必要であれば温め直します。煮物を温めている間に、伊達巻、ぶりの照り焼き、田作りなどの焼き物や炒め物を進めます。

伊達巻は焼き上がった直後に巻いて形を整え、冷めてから切ります。巻いている間や冷ましている間に、田作りなど別の料理を作ると時間を使いやすくなります。

2. 加熱した料理を冷ましている間に切り分ける

伊達巻や焼き物は、熱いまま重箱に詰めず、粗熱を取ります。料理を冷ましている間に、かまぼこを切り、数の子を食べやすい大きさに分け、盛り付け用の具材をそろえます。

熱い料理を密閉容器や重箱に入れると、蒸気で水分がこもりやすくなります。保存する場合は、粗熱を取ってから冷蔵庫へ入れてください。

3. 最後に生ものに近い料理や切るだけの料理を仕上げる

かまぼこや、盛り付け直前に切る料理は最後に扱います。魚や肉を使う料理と、そのまま食べる料理を同じ器具で扱う場合は、洗浄・消毒を済ませてから作業してください。

市販のかまぼこや栗の甘露煮などは、商品に表示された保存方法と開封後の扱いを優先します。手作りのおせちと同じ保存容器に入れる場合も、料理ごとに十分冷ましてから詰めます。

作業が重なる具体的なスケジュール例

次の例は、黒豆、数の子、なます、栗きんとん、煮しめ、伊達巻、田作り、かまぼこを作る場合の一例です。実際の加熱時間は、各レシピと食材の量に合わせて調整してください。

前日の午前から午後

  1. 黒豆を洗い、調味液に浸して煮始める。
  2. 黒豆を煮ている間に、数の子の塩抜きを始める。
  3. なますを作り、冷蔵庫で味をなじませる。
  4. 煮しめの野菜と肉を切り、必要な下処理をする。
  5. 煮しめを煮始める。
  6. 煮しめを煮ている間に、栗きんとんを作って冷ます。

前日の夕方から夜

  1. 黒豆と煮しめの火の通り、味の濃さを確認する。
  2. 数の子の薄皮を取り、調味液に漬ける。
  3. 田作りを作り、十分に冷ます。
  4. 各料理を清潔な保存容器に分け、料理ごとに冷蔵する。

当日

  1. 煮物を確認し、必要な料理だけ温め直す。
  2. 伊達巻や焼き物を作り、冷ます。
  3. 焼き物を冷ましている間に、かまぼこや数の子を切り分ける。
  4. 料理の汁気を切り、種類ごとに重箱へ詰める。
  5. 詰め終わったおせちは冷蔵し、食べる分だけ取り出す。

同時進行しやすい組み合わせと避けたい組み合わせ

「火を使っている料理」と「火を使わない作業」を組み合わせると、作業が止まりません。ただし、鍋を見守る必要がある料理を複数同時に進めると、吹きこぼれや焦げにつながるため注意が必要です。

組み合わせ 進め方
黒豆を煮る+なますを作る 黒豆の火加減を確認しながら、なますの切る・和える作業を進める
煮しめを煮る+栗きんとんを作る 煮しめを確認しつつ、別の鍋で栗きんとんを仕上げる
伊達巻を冷ます+かまぼこを切る 伊達巻の粗熱を取っている間に、盛り付け用の食材を準備する
複数の鍋を強火で加熱する 火加減や吹きこぼれを確認しにくいため、避ける
肉や魚を切る+そのまま食べる料理を作る 器具や作業台を分け、作業の順番にも注意する

おせちを効率よく作るための準備

調理前に、料理ごとのレシピ、材料、保存容器を並べておくと、途中で作業が止まりにくくなります。特に、調味料を料理ごとに計量しておくと、煮物を火にかけたまま次の工程へ移りやすくなります。

  • 作る料理を「前日までに作る」「当日に作る」に分ける
  • 必要な鍋、フライパン、バット、保存容器を先に出す
  • 野菜を切る順番と、洗い物の順番を決める
  • 料理ごとに保存容器やラベルを用意する
  • 重箱に詰める前に、料理を完全に冷ます

料理の数を減らすことも、同時進行を成功させる方法です。すべてを手作りにせず、かまぼこや栗の甘露煮などを市販品にする場合は、下処理や加熱が必要な料理に時間を回せます。

保存と盛り付けで気をつけること

おせちは作り置きする料理が多いため、完成後は常温に長く置かず、粗熱を取って冷蔵保存します。料理ごとの保存期間は、食材、加熱の有無、味付け、保存状態によって異なるため、レシピや食品の表示を優先してください。

重箱に詰めるときは、汁気の多い料理と、汁気を避けたい料理を分けます。煮物の汁気は必要に応じて切り、味や水分が移っても問題がない料理は小分けのカップなどを使うと詰めやすくなります。

食べるときは、必要な分だけ取り出し、長時間室温に置いた料理を再び保存しないようにします。におい、見た目、食感に異変がある場合は、食べずに処分してください。

おせち作りの段取りで迷ったときの判断基準

どの料理から始めるか迷ったら、次の順番で考えると決めやすくなります。

  1. 戻す・漬ける時間が必要な料理を最初に始める。
  2. 煮る時間が長い料理を火にかける。
  3. 加熱中に、切る・和える・つぶす作業を進める。
  4. 冷ます時間が必要な料理を早めに仕上げる。
  5. かまぼこなど、切るだけの料理と盛り付けを最後に行う。

おせちの同時進行は、料理を一度に完成させようとせず、「煮ている間に別の料理を作る」「冷ましている間に切り分ける」と考えるのがコツです。まずは黒豆や数の子など時間のかかる下準備から始め、火加減の確認と料理を冷ます時間を優先すれば、無理のない段取りで進められます。