おせちは、すべての料理を一から作らず、鍋・電子レンジ・包丁・まな板を中心に、料理ごとに同じ器具を使い回すと少ない調理器具で作れます。煮物は鍋でまとめて作り、なますや田作りは電子レンジ、黒豆やかまぼこなどは市販品を利用すると、洗い物も調理時間も減らせます。
調理器具少なめで作るおせちの基本セット
次の道具があれば、家庭で作りやすいおせちの多くに対応できます。
- 深めの鍋またはフライパン:煮物、伊達巻、煮しめに使う
- 電子レンジ対応の耐熱容器:なます、田作り、煮物の下ごしらえに使う
- 包丁とまな板:野菜やかまぼこを切る
- 計量スプーン:調味料を量る
- 保存容器または保存袋:作った料理を冷ます、保存する
ざる、ボウル、巻きすなどがなければ、鍋のふたや耐熱容器で代用できる場合があります。料理の種類を絞れば、特別なおせち専用器具をそろえる必要はありません。
少ない器具で作りやすいおせち料理を選ぶ
最初から品数を増やすのではなく、調理方法が重ならない料理を組み合わせると効率的です。
| 料理 | 主な調理器具 | 少ない器具で作る方法 |
|---|---|---|
| 紅白なます | 包丁、耐熱容器 | 細切りにして塩もみし、合わせ酢で和える |
| 田作り | 電子レンジ対応容器 | ごまめを加熱し、調味料と和える |
| 栗きんとん | 鍋または電子レンジ、耐熱容器 | さつまいもを加熱してつぶし、栗の甘露煮と合わせる |
| 煮しめ | 鍋 | 具材を同じ鍋で煮る |
| 伊達巻 | フライパン、包丁 | 卵液を焼いて折りたたみ、切り分ける |
| かまぼこ・黒豆・昆布巻き | 包丁、保存容器 | 市販品を切り分けて盛り付ける |
黒豆や昆布巻きのように長時間の煮込みが必要な料理は、調理器具を減らす目的なら市販品を使うと負担を抑えられます。手作りする料理と購入する料理を分けることも、少ない器具でおせちを用意する方法です。
鍋と電子レンジを使い分ける作り方
電子レンジで下ごしらえできる料理を先に作り、最後に鍋で煮物を作ると、同じ器具を洗って使い回せます。
1. 先に保存容器と材料を準備する
料理を始める前に、耐熱容器や保存容器を洗っておきます。材料は「切るもの」「電子レンジで加熱するもの」「鍋で煮るもの」に分けると、作業の順番を決めやすくなります。
保存容器が足りない場合は、料理を加熱した耐熱容器を洗って、次の料理に使い回します。熱い料理を入れる前に、容器が耐熱仕様か確認してください。
2. 包丁とまな板で材料をまとめて切る
大根とにんじんはなます用に細切りにし、煮しめ用の野菜は同じ大きさに切ります。かまぼこは最後に切ると、魚のにおいや色が他の材料に移りにくくなります。
まな板を使う順番は、野菜、加熱前の肉や魚、かまぼこの順が基本です。生の肉や魚を扱う場合は、使用後にまな板と包丁を洗剤で洗ってください。
3. 電子レンジでなますを作る
なますは火を使わずに作りやすい料理です。大根とにんじんを細切りにして塩をまぶし、しばらく置いて水分を出します。
- 大根とにんじんを細切りにする。
- 塩をまぶして置き、水分が出たら手でしぼる。
- 酢、砂糖、塩などを混ぜた合わせ酢で和える。
- 耐熱容器に入れ、冷蔵庫で味をなじませる。
合わせ酢の砂糖が溶けにくい場合は、調味料だけを耐熱容器で短時間加熱してから冷まします。加熱後の容器は熱くなるため、取り出すときはやけどに注意してください。
4. 耐熱容器で田作りを作る
田作りは、ごまめを電子レンジで乾かしてから、しょうゆや砂糖などで作ったたれと和えると、フライパンを使わずに作れます。
- ごまめを耐熱容器に広げる。
- 電子レンジで加熱し、冷まして食感を確認する。
- 別に加熱して作ったたれを絡める。
- くっつかないように広げて冷ます。
電子レンジの加熱時間は、量や機種によって変わります。焦げやすいため、最初から長時間加熱せず、短い時間ごとに様子を見てください。
5. さつまいもを加熱して栗きんとんを作る
栗きんとんは、さつまいもを鍋でゆでる代わりに、耐熱容器で加熱して作れます。やわらかくしたさつまいもをつぶし、栗の甘露煮と合わせれば、裏ごし器がなくても家庭向けの仕上がりになります。
- さつまいもの皮をむき、火が通りやすい大きさに切る。
- 耐熱容器に入れて水を少量加え、電子レンジで加熱する。
- 熱いうちにつぶし、甘露煮のシロップで固さを調整する。
- 栗を加えて混ぜ、保存容器で冷ます。
なめらかさを重視する場合は裏ごし器が便利ですが、調理器具を減らしたいときは、スプーンやフォークでつぶす方法でも作れます。
6. 最後に鍋で煮しめを作る
煮しめは、具材を同じ鍋で煮ると、鍋を一つにまとめられます。具材ごとに別々の料理として煮るのではなく、火が通りにくい材料から鍋に入れてください。
- 野菜を食べやすい大きさに切る。
- 鍋にだし、しょうゆ、みりん、砂糖などの煮汁を入れる。
- 火が通りにくい根菜から加えて煮る。
- 具材がやわらかくなったら火を止め、煮汁の中で冷ます。
- 粗熱が取れたら保存容器に移す。
具材によって火の通り方が違うため、煮崩れしやすいものは後から加えます。煮汁が少なくなりすぎた場合は、焦げる前に火を弱め、必要に応じて少量の水やだしを加えてください。
フライパン一つで伊達巻を作る方法
伊達巻は、卵焼き器がなくてもフライパンで作れます。フライパンに卵液を流して弱火で焼き、火が通ったら折りたたんで冷ます方法です。
- 卵、はんぺん、砂糖、だしなどを袋や耐熱容器でつぶしながら混ぜる。
- フライパンに卵液を流し、ふたをして弱火で焼く。
- 表面まで火が通ったら、フライ返しなどで折りたたむ。
- 粗熱を取ってから、包丁で食べやすい厚さに切る。
巻きすがない場合は、ラップで包んで形を整えることもできます。ただし、熱いまま包むとやけどの原因になるため、手で触れられる程度まで冷ましてから行ってください。
市販品を組み合わせると器具をさらに減らせる
少ない調理器具で無理なく用意するなら、すべてを手作りする必要はありません。黒豆、栗の甘露煮、昆布巻き、かまぼこなどは、市販品を盛り付けるだけでもおせちの一品になります。
手作りする料理を、なます、煮しめ、栗きんとんなどに絞ると、包丁、電子レンジ、鍋を中心に準備できます。購入品は、開封後の保存方法や消費期限を商品表示で確認し、盛り付ける分だけ取り分けてください。
調理器具を使い回すときの順番
洗い物を少なくするには、汚れやにおいが少ない料理から作るのがポイントです。次の順番なら、同じ耐熱容器や鍋を使い回しやすくなります。
- なますの合わせ酢や野菜を準備する。
- 栗きんとん用のさつまいもを電子レンジで加熱する。
- 田作りを電子レンジで作る。
- フライパンで伊達巻を焼く。
- 鍋で煮しめを作る。
- 料理を冷まし、保存容器に移して冷蔵する。
生の肉や魚を使う場合は、加熱前の材料を扱った後に、包丁やまな板を洗ってから他の料理に使います。調理器具を減らすことよりも、食材ごとの衛生管理を優先してください。
少ない器具でおせちを作るときの注意点
電子レンジの加熱時間、鍋の大きさ、材料の量によって仕上がりは変わります。特に田作りや砂糖を使ったたれは焦げやすいため、短時間ずつ加熱して状態を確認します。
作った料理は、粗熱を取ってから冷蔵庫に入れます。常温のまま長時間置かず、保存期間は料理の種類、材料、調理状態によって異なるため、早めに食べることを基本にしてください。
お重がなければ、深さのある保存容器や大皿に盛り付けても問題ありません。料理ごとに小さなカップや仕切りを使うと、味や汁が混ざりにくくなります。
少ない調理器具で作るおせちの組み合わせ例
初めて作る場合は、次のように手作りと市販品を組み合わせると無理がありません。
- 手作り:紅白なます、煮しめ、栗きんとん
- 電子レンジ中心:田作り
- フライパン使用:伊達巻
- 市販品:黒豆、昆布巻き、かまぼこ、栗の甘露煮
この組み合わせなら、主に鍋、電子レンジ、フライパン、包丁、まな板で準備できます。品数を増やす場合も、まずは調理器具が重ならない料理から追加すると、洗い物を増やしにくくなります。
おせちを調理器具少なめで作るコツは、電子レンジで作れる料理を取り入れ、煮物は一つの鍋にまとめ、市販品も活用することです。最初に作る料理を3〜5品程度に絞り、料理ごとに必要な器具を確認してから始めると、無理なく準備できます。







