おせちの誤嚥を防ぐ子ども向けの切り方は?

おせちの誤嚥を防ぐ子ども向けの切り方は?

おせちの誤嚥を防ぐには、子どもの年齢や発達に合わせて、丸い・硬い・弾力がある・粘り気が強い食品を、細長くまたは小さく切ることが基本です。ただし、切り方だけで誤嚥を完全に防げるわけではありません。座って落ち着いて食べさせ、食事中は必ず大人が見守ってください。

おせちは「丸いまま・硬いまま」で出さない

子どもにおせちを取り分けるときは、食品の形と硬さに応じて切り方を変えます。特に、丸くてつるりとした食品や、口の中で滑る食品は、丸ごと与えないことが大切です。

食品 子ども向けの切り方・下ごしらえ 注意点
黒豆 粒のままではなく、子どもの年齢に応じてつぶす、または細かく刻む 丸く滑りやすいため、丸ごと与えない
栗の甘露煮 やわらかさを確認し、薄く切るか細かくほぐす 大きな塊のまま口に入れさせない
かまぼこ 薄切りにした後、さらに細長く切る。幼い子には小さく刻む 弾力があるため、厚い輪切りのままにしない
伊達巻き 薄く切り、子どもがかみ切れる大きさにする 一度に口へ入れられる大きさにしない
煮しめの根菜 十分にやわらかく煮て、繊維を断つ向きに薄く切る れんこんなどは硬さが残っていないか確認する
えび 殻と尾を取り、身を小さくほぐす 硬い部分や殻の取り残しがないか確認する
数の子 薄く小さく切る、または細かくほぐす 弾力があるため、長いまま与えない

表の大きさは一律の基準ではありません。子どもが普段から無理なくかめる大きさを目安にし、初めて食べる食品や硬さが残る食品は、さらに細かくするか、無理に食べさせないでください。

丸い食品は縦に切ってから、さらに小さくする

黒豆やミニトマトなど、丸くてつるりとした食品は、横に輪切りするだけでは形が残ります。まず縦に切って丸い形を崩し、その後、子どもの発達に合わせて4分の1程度または細かい大きさに分けます。

皮が硬い食品は皮を取り、種や硬い部分があれば除きます。ミニトマトやぶどうのような食品をおせちに添える場合も、丸ごとでは出さないでください。

硬い食品や弾力のある食品は「小さくする」だけでは不十分

かまぼこ、数の子、れんこんなどは、小さく切っても硬さや弾力が残ります。子どもが舌や歯ぐきでつぶせる程度までやわらかくするか、薄く切って繊維を短くし、かみ切りやすくします。

硬さを確認するときは、大人が指で押して簡単につぶせるか、または箸でほぐせるかを目安にできます。ただし、大人がつぶせても子どもが安全に食べられるとは限らないため、初めは少量を見守りながら与えます。

餅や豆・ナッツ類は、切り方だけで安全にできない

餅は粘り気が強く、細かく切っても誤嚥の危険が残ります。特に乳幼児には与えず、年齢が上の子どもでも、座った状態で少量ずつ、必ず大人が見守ってください。

豆やナッツ類は硬く、気道に入りやすい食品です。消費者庁は、5歳未満の子どもには豆やナッツ類を食べさせないよう注意を呼びかけています。おせちの黒豆も、年齢が低い場合は粒のまま出さず、つぶす、刻む、または別の食品に替える方法を検討します。

食べさせるときは、切り方と同じくらい姿勢が重要

食品を安全な大きさに切っても、歩きながら食べたり、笑ったり話したりしながら食べると、誤嚥につながることがあります。次の状態を整えてから食べさせてください。

  • 椅子に座り、体を安定させる
  • 口に食べ物を入れたまま話したり、遊んだりさせない
  • 一度にたくさん取り分けず、少量ずつ渡す
  • 子どもだけで食べさせず、大人が近くで見守る
  • 飲み込み終わったことを確認してから、次の一口を渡す

子どもが急いで食べる、口いっぱいに詰め込む、かむ力がまだ弱いといった場合は、年齢にかかわらず、より細かくするか、その食品を見送ります。

誤嚥を防ぐための取り分け手順

  1. 子どもに出す食品を選び、餅、硬い豆・ナッツ、硬さの残る食品を取り除きます。
  2. 丸い食品は縦に切って形を崩し、必要に応じてさらに小さくします。
  3. かまぼこや数の子などは薄く切り、長い繊維や弾力が残らないようにします。
  4. 煮しめは、指や箸でつぶせる程度までやわらかいか確認します。
  5. 子どもを座らせ、少量ずつ食べさせながら、かんで飲み込めているか見守ります。

せき込む、声が出しにくい、呼吸が苦しそう、顔色が変わるといった場合は、食べるのを止めてください。呼吸ができないなど緊急性がある場合は、周囲に助けを求め、119番通報を含めて救急の指示に従います。

おせちの子ども向けの切り方は、丸い食品を丸ごと出さず、硬さや弾力がある食品を薄く・細かくし、十分にやわらかくすることが基本です。特に餅、硬い豆やナッツは切り方だけで安全にはできないため、年齢や発達に応じて与えない判断も必要です。